再生可能エネルギー熱利用技術開発/
再生可能エネルギー熱利用のポテンシャル評価技術の開発/
オープンループ型地中熱利用システムの高効率化とポテンシャル評価手法の研究開発
3. ポテンシャルマップ作成技術の開発
国立大学法人岐阜大学
再委託先:国立大学法人信州大学
研究開発内容
1. 条件有利地域における省エネ性の実証試験
地下水位・水温の変動
2. 地下温度が省エネ性に与える影響の評価手法の開発
3A. 条件有利地域の調査手法の開発
平均水温(℃)
位相差(年)
振幅(℃)
- 旧河道沿いに地下水温が低く、振幅が大きいことから地下水流動が卓越すると考えられる。
- 長良橋から離れるにつれて地下水温度が上昇し、振幅が小さくなることから、涵養後の時間が経過することが予想されるが単純ではない。
- 支流河川(鳥羽川)の影響がわずかに認められる。
- 旧河道・支流河川が地下温度に与える影響を検出できた。
3B.逆解析法サーマルレスポンス試験(iTRT)技術の開発
信州大学工学部サイトでのTRT熱交換井/iTRT観測井の温度変化(18/10/19-27)
3C. ポテンシャルマップ作成技術の開発
入力項目と出力項目
- 1.調べたい地点
- 2.二次側の形式(今回開発中の小規模と中規模)
- 3.地下水位・地下水温から求められる運用コスト
- 4.地下水水質
- 5.必要とする井戸の長さ(帯水層深度)
- 6.打ち込み井戸・浸透ますの利用可能性
- 岐阜地域:50 m x 50 m
- 濃尾平野:250 m x 250 m
地下水位分布
地下水温度
推定消費電力量
設置するシステムと稼働状況は、岐阜サイト(明徳公民館)に設置した実証実験システムと同一である場合の消費電力量を示す
推定消費電力量(商業施設)
岐阜サイトと同様のシステムで、二次側が商業施設の場合を推定。冷房・暖房運転の負荷率の頻度分布は、空気調和・衛生工学会(2015)「都市ガスコージェネレーションの計画・設計と運用」より推定した。
帯水層の深度分布
ポテンシャルマップ公開webページ
まとめ
謝辞:
これらの成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られたものです。また,条件有利地域における省エネ性の実証実験では岐阜市に明徳公民館の使用を、条件有利地域の調査手法の開発では岐阜市に消防用井戸の利用を認めていただいた。ポテンシャルマップの作成では,岐阜県,愛知県,名古屋市から地下水位観測用井戸の水位データの提供を受けるとともに,寺尾ほか(1988),内田・佐倉(1999),日本水道協会(2009)及び産業技術総合研究所(地質調査総合センター)が全国の井戸資料や地質資料を収集・デジタル化したデータベース「いどじびき」(丸井, 1998; 宮越・丸井, 2005)に収録されているデータの一部を使用した。ここに記して関係各位に謝意を表します。
引用文献:
内田洋平・佐倉保夫(1999)濃尾平野における地下温度プロファイル. 地質調査所月報, 50, 635-659. 寺尾宏・森仁・加藤喜久雄(1988)岐阜県における地下水、河川水の主要化学成分. 日本陸水学会第53回大会講演要旨集. 日本水道協会(2009)平成19年度水道統計-水質編-, CD-ROM. 丸井敦尚(1998)全国井戸・水文データベースと管理ソフト「いどじびき」の概要. 地下水学会誌, 40, 501-508. 宮越昭暢・丸井敦尚(2005)全国井戸・水文データベース「いどじびき」の改定と適用. 地質ニュース, 612, 65-67.